「AIに置き換えられる側」か「使いこなす側」か|ブルーワーカービリオネアの時代に、私たちが選ぶべき道

毎週月曜日の朝、社長からインフィニティエージェントでは全社に向けたメッセージが発信されています。この記事では、そのメッセージの中から「仕事の本質」に関わるテーマを取り上げ、会社としての考え方をお伝えします。

今回のテーマは「AI時代の構造変化と、私たちが取るべき姿勢」です。アメリカで起きている労働市場の変化を起点に、当社がなぜ今の方針を取っているのか、そして一人ひとりに何が求められるのかを整理します。


「ブルーワーカービリオネア」という現実

「ブルーワーカービリオネア」という言葉をご存知でしょうか。

アメリカでは今、大卒のエリート層が就職難に陥る一方で、手に職を持つ職人・専門職が圧倒的な売り手市場になっています。いわゆる「ホワイトカラーの仕事」がAIに代替されていく中で、「人間にしかできない技術」を持つ職種の価値が急騰しているのです。

この現象を象徴する数字があります。グローバルコンサルティング大手が1300億円規模のリストラ計画を発表し、1年間で社員が1万人規模で減少しました。国内でも通信・印刷などの大手企業が「AIによって5〜6割の業務は置き換え可能」と公式に明言しています。

これは「将来の話」ではありません。すでに目の前まで来ている話です。

「タイムマシン経営」という言葉があります。アメリカで起きたことは、必ず数年後に日本でも起きる。これは歴史的に例外がありません。大卒エリートが就職難になり、手に職のある専門職が高収入を得るという逆転現象が、日本でも近い将来に顕在化する可能性は極めて高い。


「広告運用者はいずれAIに置き換わる」という危機感を持つべき

この変化を見越して、当社はすでに動いています。はっきり言います。「広告運用者という仕事は、いずれAIに置き換わる」。という危機感を持つべきです。

媒体へのデータ入力、レポートの自動生成、入札調整の最適化——これらはすでにAIが担い始めており、今後さらに範囲が広がります。「広告を回せる」という能力だけで差別化できる時代は、終わりに近づいています。

だからこそ当社は、外部専門家による研修に投資し、「広告運用者」ではなく「マーケティングコンサルタント」への進化を会社の方針として打ち出しています。

広告の数値を管理するのではなく、クライアントのビジネスを理解し、課題をマーケティングに落とし込み、事業の成長に直結する価値を提供できる人材へ。また、DXディビジョンでは施工部隊の構築を進め、「人間にしかできない仕事」への投資を加速させています。

これは会社としての生存戦略であると同時に、一人ひとりのキャリアへの投資でもあります。


会社が「場」を作るだけでは不十分だ

新卒の説明会では、「3年で一人で生き抜くスキルを身につけてほしい」と伝えています。これは単なる励ましではなく、会社としての約束です。

ただし、会社が環境や機会を整えるだけでは不十分です。

一人ひとりが「未来に必要とされる人材とは何か」を自分で逆算し、自走することが不可欠です。

研修を受けることと、研修で得たことを現場で試して自分のものにすることは別物です。AIに関する情報を「知っている」ことと、AIを使いこなして成果を出すことは別物です。会社が用意した場を最大限に使い切る主体性があるかどうかが、数年後に大きな差を生みます。


「業績は、今までの努力の結果にすぎない」

ある大手IT企業の経営者が、社長退任に際してブログにこんな言葉を残しました。

「業績とは、今までの努力の結果にすぎない。我々は企業を人と同じように”健康診断”し、未来に何が起こるかを常に考え、打ち手を講じ続けてきただけだ」

今期の数字は、昨年までの意思決定と行動の結果です。来期・再来期の数字は、今まさにしている意思決定と行動によって決まります。

この言葉はAI時代の私たちにもそのまま当てはまります。「AIが普及したら考えよう」ではなく、「AIが普及しつつある今、何を準備するか」を考えて動く。受動的ではなく、能動的に未来へ打ち手を仕掛け続ける姿勢が、個人にも組織にも求められています。


AIは脅威ではなく、チャンスだ

AIの話をすると、「仕事がなくなるのでは」という不安が先に立ちがちです。しかし、見方を変えると、AIの台頭はかつてないほど大きなチャンスでもあります。AIが単純業務を代替するということは、人間がより高次の仕事に集中できるということです。「AIを使って何を実現するか」を考える人間の価値は、むしろ上がります。

また、多くの人が「AIに仕事を奪われる」という受動的な文脈で語る中で、「AIを使いこなす側に回る」という能動的な行動を取ること自体が、大きな差別化になります。全員が同じ変化に直面している今こそ、早く動いた人間が圧倒的に有利になる局面です。

AIを脅威と見るか、チャンスと見るか。その認識の違いが、5年後の立ち位置を決めます。


今、私たちがすべきこと

AI時代に「置き換えられない側」に回るために必要なのは、次の3つです。

① ビジネスを深く理解する
広告の数値を管理するのではなく、クライアントのビジネスモデル・市場・競合・顧客を理解した上で施策を設計できること。「なぜこの施策が事業の成長につながるのか」を説明できる人材が、AIには代替できない価値を持ちます。

② 自分の「縦軸」をつくる
前回お伝えしたT型人材の考え方とも重なりますが、「この領域だけは誰にも負けない」という深い専門性を持つこと。AIが横並びのスキルを代替するからこそ、固有の専門性の価値が高まります。

③ 能動的に未来へ打ち手を仕掛ける
「会社がやってくれるから」「まだ先の話だから」ではなく、今から自分で逆算して動くこと。変化が来てから対応するのではなく、変化が来る前に準備を終わらせておく姿勢が、AI時代の生存条件になります。


まとめ

  • 「ブルーワーカービリオネア」——AIがホワイトカラーを代替し、手に職のある専門職の価値が急上昇するという構造変化はすでに始まっている
  • タイムマシン経営の法則通り、アメリカで起きていることは日本でも必ず起きる
  • 当社は「広告運用者からマーケティングコンサルタントへ」の進化を会社の方針として明確化し、投資を続けている
  • 会社が場を作るだけでは不十分。一人ひとりが「未来に必要な人材とは何か」を逆算して自走することが求められる
  • AIは脅威ではなくチャンス。「使いこなす側に回る」という能動的な姿勢が、5年後の立ち位置を決める

変化が加速する時代に必要なのは、変化を待つのではなく、変化を先取りして動くことです。インフィニティエージェントがこれからさらに成長していくためにも、そして一人ひとりがより大きな価値を生み出すためにも、この視点を持ち続けてほしいと思っています。

記事の執筆者

岡田 裕平

岡田 裕平(おかだ ゆうへい)

代表取締役

1989年生まれ 月間個人運用高1億円以上 2015年5月 創業

1989年生まれ。大学卒業後、某ベンチャー企業へ入社し、新規事業立ち上げやインターネットメディア事業の部門責任者として従事。 その後、大手ネット専業代理店に入社し、月間の個人運用高1億円以上を担うなど、数々の賞を受賞。 2015年5月に株式会社インフィニティエージェントを設立し、代表取締役に就任。 事業会社と広告代理店の両方を経験していることが強みであり、この両方の視点こそが、インフィニティエージェントの独自性の源泉となっている。