
Google アナリティクス4(GA4)では、
正確なアクセス解析のためにIPアドレス除外設定が欠かせません。
しかし、
従来のユニバーサルアナリティクス(UA)とは設定方法が大きく異なるため、
戸惑っている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、
GA4におけるIP除外の必要性から具体的な設定手順をわかりやすく解説します。
1. GA4でIP除外が必要な理由
GA4でWeb解析を行う際に、なぜIP除外設定が必要なのでしょうか。
その理由を理解するには、まずIPアドレスについて知っておく必要があります。
1-1. IPとは?
IPアドレス(Internet Protocol Address)とは、
インターネット上でデバイスを識別するための番号です。
スマートフォンやパソコンなど、
インターネットに接続するすべての機器には固有のIPアドレスが割り当てられています。
IPアドレスには、以下の2種類があります。
- 従来型の「IPv4」(例:192.168.1.1)
- 次世代型の「IPv6」(例:2001:db8::1234:5678)
インターネット上でのアクセスは、すべてこのIPアドレスを元に識別・記録されます。
つまり、
誰がどのWebサイトを訪問したのかという情報は、IPアドレスを基準に集計
されているのです。
1-2. 正確なデータ分析のためにIP除外設定が不可欠な理由
GA4は、
Webサイトへのアクセスデータを収集・分析するためのツールです。
しかし、
デフォルト設定では、サイト運営者や社内スタッフなど
「内部ユーザー」のアクセスも含めてすべてのトラフィックを計測します。
これにより、以下のような問題が発生します。
- データの正確性の低下:
社内からの頻繁なアクセスが含まれると、
実際の訪問者数や滞在時間などの指標が歪みます。 - コンバージョン率の低下:
内部ユーザーは通常コンバージョン(購入や問い合わせなど)に至らないため、
実際のコンバージョン率よりも低い数値になります。 - リターゲティング広告の非効率化:
内部ユーザーに対してもリターゲティング広告が表示される可能性があり、
広告予算の無駄遣いにつながります。
特に広告運用において、正確なデータ分析は不可欠です。
IP除外設定を行うことで、
純粋な外部ユーザーのアクセスのみを計測し、
より精度の高いデータに基づいた意思決定が可能になります。
2. GA4でのIP除外設定の基本手順
GA4でのIP除外設定は、
「内部トラフィックの定義」という機能を使用して行います。
UAと異なる点に注意しながら、以下の手順で設定していきましょう。
2-1. 事前に確認すべき自社のIPアドレス情報
IP除外設定を行う前に、まず除外したいIPアドレスを確認する必要があります。
自社のIPアドレスは以下の方法で確認できます。
- 固定IPの場合:
社内のネットワーク管理者に確認するか、
「自分のIPアドレスを確認」などで検索して表示されるサービスを利用します。 - 動的IPの場合:
定期的に変更される可能性があるため、
IPアドレスの範囲(CIDR表記など)を確認します。 - IPv4とIPv6の確認:
両方のIPアドレスを確認しておくと、後々のトラブルを防げます。
複数の拠点がある場合は、それぞれの拠点のIPアドレスを確認しておきましょう。
また、
リモートワークが導入されている場合は、
VPN接続時のIPアドレスも確認が必要です。
2-2. 内部トラフィックの定義を理解する
GA4では、
「内部トラフィック」と呼ばれる機能を使ってIP除外を設定します。
内部トラフィックとは、
自社や運営者など「内部」からのアクセスを指し、
これを定義することでデータ収集から除外できます。
内部トラフィックの定義は以下の手順で行います。
① GA4の管理画面を開き、左側のメニューから「管理」を選択
② プロパティ列の中から「データストリーム」をクリック
③ 対象のデータストリーム(通常はWebサイトのURL)をクリック
④「タグ設定を行う」を選択
⑤「内部トラフィックの定義」をクリック
⑥「作成」ボタンを押す
⑦ ルール名(例:「社内IP除外」)を入力
⑧ 条件として「IPアドレス」を選択し、除外したいIPアドレスを入力
⑨「作成」ボタンをクリックして保存
複数のIPアドレスを除外したい場合は、
カンマ区切りで入力するか、個別にルールを作成します。
2-3. データストリームとデータフィルタの関係性
GA4では、
「データストリーム」と「データフィルタ」という2つの概念が重要です。
- データストリーム:
Webサイトやアプリからデータを収集するための設定 - データフィルタ:
収集したデータを加工するための設定
IP除外の場合、「内部トラフィック」フィルタを使用します。
内部トラフィックの定義を作成した後、これを有効化するには以下の手順が必要です。
① GA4の管理画面左下の歯車アイコンをクリック
②「データの収集と修正」から「データフィルタ」を選択
③「内部トラフィックフィルタ」の右側メニューをクリック
④「フィルタを有効にする」をクリック
3. まとめ
GA4におけるIP除外設定は、正確なアクセス解析を行うために欠かせない重要な設定です。
本記事では、以下のポイントを解説しました。
- IPアドレスとは何か、なぜ除外設定が必要なのか
- GA4での具体的なIP除外設定手順
- 設定後の動作確認方法と問題が発生した場合の対処法
従来のUAと異なり、
GA4では「内部トラフィックの定義」と「データフィルタ」を使ってIP除外を行います。
初めて設定する方にとっては少し複雑に感じるかもしれませんが、
本記事の手順に従えば確実に設定できます。
正確なアクセスデータは、
効果的な広告運用やサイト改善の基盤となります。
ぜひ今回紹介した方法でIP除外設定を行い、
より信頼性の高いデータ分析を実現してください。